総合研究大学院大学 /
生命科学研究科 基礎生物学専攻 基礎生物学研究所
神経細胞生物学研究室
山下 映
<研究題目>
ストレス顆粒形成促進因子NFAR2の天然変性領域が担う液-液相分離の生理的意義の解析
<コメント>
この度は、2019年度生命科学研究助成に採択頂きまして心より感謝申し上げます。 近年、液-液相分離という物理化学的現象が細胞内で起こることによって、膜で包まれないオルガネラを形成することがわかってきました。液-液相分離には、特定のタンパク質が持つ天然変性領域(IDR)同士の結合が必要です。 しかし、IDRによる液-液相分離の個体レベルでの生理的意義は不明であり、生命科学分野における重要課題の一つです。 そこで、IDRを欠損しつつタンパク質機能は保持したマウスの行動解析とオミックス解析により、IDRによる液-液相分離の生理的意義の解明を行います。 本助成を活用し、研究に邁進していきたいと考えています。
公益財団法人 佐々木研究所附属 佐々木研究所 /
腫瘍細胞研究部
宮崎 允
<研究題目>
RGBマーキング法を用いた腫瘍内薬剤耐性細胞の可視化に関する研究
~腫瘍内の「どこで」薬剤耐性細胞は出現しているのか?~
<コメント>
この度は2019年度生命科学研究助成に採択頂き誠にありがとうございました。 私は学生時代には、がん細胞の治療抵抗性獲得機構について、がん抑制因子p53に着目し研究を行なってきました。 現在の研究室では、RGBマーキング法という手法を用いてスキルス胃癌の転移機構について研究を行なっています。 RGBマーキング法は、3種類の蛍光タンパク質を組み合わせることで、細胞を多数の色でラベルする技術です。 本研究ではRGBマーキング法を応用することで、腫瘍内の「どこで」薬剤耐性細胞が出現しているのか、その可視化に挑みます。 本助成を活用し研究を発展させて行きたいと思います。
岐阜薬科大学大学院 /
医療薬剤学大講座 薬物治療学研究室
上田 智之
<研究題目>
異常タンパク質蓄積の抑制を目的とするヒト乳歯歯髄幹細胞を活用した創薬研究
<コメント>
この度は、2019年度生命科学研究助成に採択して頂き、厚く御礼申し上げます。 私の研究テーマである筋萎縮性側索硬化症 (ALS) は上位および、下位の運動神経の変性を伴い、筋肉の萎縮、運動機能障害を引き起こす難治性の神経変性疾患です。 これまでに様々な治療薬が提言されてきましたが、未だに明確な効果を有する薬剤の発見には至っていません。 そこで、現在私は再生医療の分野でも広く注目されている幹細胞を用いて、新規治療薬候補の探索を行っています。 本助成のサポートにより、幹細胞のALSに対する有用性を明らかにし、ALSで苦しむ患者さんの元へ一刻でも早く治療薬を届けたいと考えております。